先物取引の注文の種類

前項で説明したように、通常このように買い手と売り手がいて売買が成立し、価格が変動していく中で、日々、委託者たちは取引をしています。
その取引をする上でも注文の仕方が色々あるということを説明していきます。
簡単に言えば、2つです。
「成行(なりゆき)」 と 「指値(さしね)」 です。

[成行]
その字の通り、特に執行条件を指定せず、市場の流れに任せて注文を出すことです。
値段にあまりこだわらず、とにかく取引を成立させたい、という場合に使います。
自分の建玉枚数以上の注文が出ていれば、成行にするとまず確実に注文が入ります。

[指値]
自分でこの値段じゃないと嫌だ!と指定する時に使う方法です。
「買い」注文であれば、この値段まで下がったら買い、「売り」注文であれば、この値段まで上がったら売り、と指定することを言います。
その値段以上であれば、注文が入るので、利益を確定させて決済したい場合や、建玉する際に値段にこだわりがある場合に使います。
昼間は仕事で相場を見ている時間なんかない、という場合や運転や電車などで移動してる場合、何らかの都合で取引できない場合でも、あらかじめ目標価格に決済の注文を出しておけば、その値段に達したら自動的に決済するので、時間がない方にも最適です。

そして、この指値には色々な種類があります。つまり、条件付の指値ということです。

[指値成行(指成 )]
大引け(その日の取引終了)まで指値が成立しない場合、最終取引時で成行注文となります。

[引成行(引成)]
午前中に出した注文は午前中の相場終了時(前引け)に、午後の注文は午後の相場終了時(大引け)で成行注文となります。

[ ストップ(ST)]
指定した値段に達すると成行注文が執行されるというものです。
「買い」注文であれば指定値段より高くなったら買い、「売り」注文であれば指定値段よりやすくなったら売り、というように指値とは逆に指定します。
条件に達し注文が有効になればその後は成行注文で執行しますので、指定した条件を満たさない価格でも成立することがあるのが指値と違うところです。
主に、損失確定の決済(ロスカット)の際に使います。特に建玉した直後にこれ以上は損失を出さない、と上限を決めておいて、その損切り価格を指定して注文を出しておけば、自動的に損切り注文を執行するため、ずるずると損失が拡大するのを避けることができ、リスクを抑えることができます。

[ ストップリミット(STL) ]
指定した値段に達すると指値注文が執行されます。
「買い」注文であれば指定値段より高くなったら買い、「売り」注文であれば指定値段よりやすくなったら売り、というように指定するのは、ストップと同じです。
ストップと違うところは、ストップオーダーだと値上がりまたは値下がりして指定した値段に到達すると成行注文に変わるのに対し、ストップリミットオーダーは指値注文となる点が異なります。そのため、指定値段より不利な値段で約定されることはありませんが、 成行注文でないためその後の値動きによっては約定されない場合もあります。

[ IOC(Immediate Or Cancel order) ]
執行する値段・時間・キャンセルする条件を指定する方法です。
「買い」注文であれば指定値段より安くなったら買い、「売り」注文であれば指定値段より高くなったら売り、という指定をし、一本値(同一の値段)で、即座に、注文枚数のうちの一部、あるいは全部を成立させる注文です。
成立しなかった注文はキャンセルされます。
デイトレードで利用することが多いです。指値や成行で1回に1枚以上の複数の注文を出した場合、全枚数が同一の値段(一本値)で成立しないことがあります。デイトレードでは、少しの値段の違いや時間のロスが利益や損失に影響することが多いので、それを避けるために使います。

[ FOK(Fill Or Kill order) ]
これも、執行する値段・時間・キャンセルする条件を指定する方法です。
「買い」注文であれば指定値段より安くなったら買い、「売り」注文であれば指定値段より高くなったら売り、という指定をし、一本値(同一値段)で、即座に、全部を成立させる注文です。
条件を満たさず成立しなければ、注文はキャンセルされます。IOCと非常に似ていますが、IOCが一部でも成立すれば良いのに対し、FOKは全枚数が成立しなければならない点が異なります。IOC同様、デイトレードで利用することが多い注文方法です。

[ 逆指値 ]
名前の通り指値とは逆で、「買い」注文であれば指定値段より高くなった時に指定値段以上で、「売り」注文であれば指定値段より安くになった時に指定値段以下で執行します。
ストップ、ストップリミットにも似ていますが、逆指値は、指値同様に条件を満たさない価格では成立しません。
ストップと同じく、損失確定の決済(ロスカット)に用いられる注文方法です。建玉後に注文しておけば、ずるずると損失が拡大するのを避けることができ、リスクを抑えることができます。


ざっとこれだけ種類があります。実際に取引してみないといまいちピンと来ないかもしれませんね。
でも、ここまで理解できれば、取引のルールは習得したことになります。

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