限月とは

初心者の方が分からなくなってしまうもうひとつの大きな原因が「限月(げんげつ)」でしょう。

この「限月」というのは、受渡し契約の最終決済月のことを言います。

商品ごとに違いますが、全ての商品が6限月制で、取引期間は、最短で半年、最長で1年となっています。金の場合ですと、偶数月に限月が設定されており、1年となっています。受け渡しは、この限月ごとに行われ、それぞれの限月ごとに納会日(最終決済日)が定められています。

つまり、買いから入っても、売りから入っても1年以内に決済しないといけない、ということです。

株のように思っていたのと値段が反対にいったから、思うような利益が出ていないから、と言って塩漬け状態などにはできません。

つまり、思っていたのと逆方向に行っていても、1年以内のどこかで必ず決済するので、損失であっても必ず確定してしまいます。

ですので、相場をヨミ違えてしまった時に意地になって、取引をし続けると、思った以上に大きな損失を出してしまうこともあります。

しかし、実際、株と違って値動きはそれなりにありますし、株と違って値下がりを利益として取ることもできるので、商品の値段が上がり続けているときでも、下がり続けているときでも利益を取ることができます。また、物の値段ですので、商品の価格自体が0円になることは実際にあり得ませんし、株のように塩漬けにしている間に会社が倒産して0になってしまった、ということもありませんし、10年、20年にも渡って損失を出しっぱなしにするということもありません。


ここで、もう少しだけ限月について補足しておきます。
図を見てください。例えば金の場合ですと、2008年の10月限が一番期限の短いものだとしたら、そこから偶数月ですので、2008年12月限、2009年2月限、2009年4月限、2009年6月限、2009年8月限、と6本の限月があるわけです。
2008年の8月限は8月の納会日に現物の受け渡し決済ができ、その時点で、2008年8月限という限月はなくなります。
そして、翌日から、2009年8月限が生まれるというわけです。この新しく生まれた限月を新甫(しんぽ)と言います。
つまり、この6本の限月の値段は、同じ金の値段ですが、全く違うものですので、価格もそれぞれ違います。
もし、2009年の6月限という限月で取引を開始(建玉)したら、2009年の6月限が納会を迎えるまでに、2009年6月限の値段で手仕舞い(てじまい)します。
つまり、買いで入れば転売、売りで入れば買い戻しをするということです。この仕組みから、2ヶ月に1度、新甫が生まれることになります。

例えば、コーンは奇数月で限月が設定されていて1年間ですが、ガソリンなどは毎月の限月で半年間となっています。

また、日本と海外とで違いはありますが、この中で一番取引量が多いのは、先限(さきぎり)と呼ばれる、例で言えば、2009年の8月限で、現時点から一番期間の長いものが人気があります。
海外ではこれに比べて期近(きじか)と言われる期限の短いものが好まれたりします。
日本では、先限がなぜ、人気かというと、やはり、長い期間値動きが見たいという人が圧倒的に多いからです。デイトレードも最近でこそ活発に行われていますが、買ったものをじっくり値段が上がるまで待つ、という投資家の方が多いので、期間の長いものに人気が集まります。

また、期近は、現物を必要とする業者が介入していることが多く、取引量が少ないため、値動きが大きいことも多く、リスクが大きくなりやすいです。
このため、期間が長いと言っても、2ヶ月に1度新甫が生まれるので、決済しては、先限に乗り換えて取引していく、というように通常は取引していきます。

特に、先物取引になれていない方は期近である2限月は取引しないほうが無難だと思います。金の現物を買いたい!という人は別ですけれどもね。


また、限月を利用した取引もあります!
わざと同じ商品の中でも違う限月を取引して、リスクを分散させたり、その価格差を利益として売買する取引方法です。
そのような取引を総称して「鞘取り(さやとり)」と言います。

注)鞘取りには、色々種類があり、今述べた方法はスプレッド、同市場、異銘柄の場合はストラドル、異市場間の場合はアービトラージと呼んだりします。

これは、それぞれの商品によって需要時期が異なることから生まれます。
例えば、一番分かりやすいのは、石油製品かと思うのですが、ガソリンは例えば、行楽シーズンやロングバケーション時に需要のピークを迎えますので春から夏にかけて、灯油は暖房用に使われますので、冬に需要が伸びます。
北半球、南半球とあるから関係ないじゃないかという人もいるかもしれませんが、先進国はほとんど北半球にあるため、その需要も日本と同じように伸びるのです。
つまり、夏の時期にはガソリンが需要が高いので、買い、灯油は不需要期ですので、売りといったように逆の建玉をすることで、リスクを分散しつつ、その価格差を利益として取っていく、という方法です。
限月を理解し、上手く利用すると取引の幅が広がりますよ。

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